2016年 02月 29日
緊急事態条項が通ってしまった未来からの伝言 |
緊急事態条項が通ってしまったらどんな世の中になるのかというシミュレーションを書いて、伊藤真先生の法学館憲法のサイトに載せてもらいました。(弁護士内山宙)
憲法が改正されたころ、私はまだ高校生になったばかりだった。改正案の内容は、私が中学で習っていた憲法の原則からすると、ちょっとおかしいんじゃないかと思ったけど、選挙権のない自分には何もできなかった。
憲法が改正されたころ、私はまだ高校生になったばかりだった。改正案の内容は、私が中学で習っていた憲法の原則からすると、ちょっとおかしいんじゃないかと思ったけど、選挙権のない自分には何もできなかった。
そして、18歳になったら選挙に行くものだと思っていたのに、今は選挙はほとんど実施されていない。憲法が改正されて、緊急事態条項というものが入ったからだ。
緊急事態条項が通って直ぐに某国がミサイルを発射しようとしているということで騒ぎになった。総理大臣が緊急事態だとテレビで宣言していたが、緊急事態にしては、記者会見の演出がやけに準備周到だったことが印象的だった。そのミサイルは、結局衛星軌道に乗ったそうで、人工衛星だったんじゃないかと言われていた。それで、緊急事態の宣言をした根拠を出せと野党が追及していたけれども、緊急事態宣言について国会の承認を得る期限が決まっていなくて、首相はなかなか国会承認の手続を取ろうとしなかった。とはいえ、100日を超えて継続する場合に国会の承認を得なければならないということになっているので、さすがに100日になる前に事後承認の手続を取ることになった。しかし、緊急事態宣言の根拠となる事実関係自体が特定秘密に当たるということらしく、防衛省が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある」と言って、資料は国会には出てこなかった。
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緊急事態条項が通って直ぐに某国がミサイルを発射しようとしているということで騒ぎになった。総理大臣が緊急事態だとテレビで宣言していたが、緊急事態にしては、記者会見の演出がやけに準備周到だったことが印象的だった。そのミサイルは、結局衛星軌道に乗ったそうで、人工衛星だったんじゃないかと言われていた。それで、緊急事態の宣言をした根拠を出せと野党が追及していたけれども、緊急事態宣言について国会の承認を得る期限が決まっていなくて、首相はなかなか国会承認の手続を取ろうとしなかった。とはいえ、100日を超えて継続する場合に国会の承認を得なければならないということになっているので、さすがに100日になる前に事後承認の手続を取ることになった。しかし、緊急事態宣言の根拠となる事実関係自体が特定秘密に当たるということらしく、防衛省が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある」と言って、資料は国会には出てこなかった。
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by himituho
| 2016-02-29 19:38
| 弁護団メンバー記事