カテゴリ:秘密保護法パブコメ( 16 )

2014年 08月 05日

【パブコメ・テーマ別】平和運動に取り組む方々向けのパブコメ参考例

秘密保護法関連のパブコメについて、市民の方々から、「テーマ別に参考例を作ってほしい」という意見が寄せられたため、順次、テーマ別で掲載していきます。

平和運動に取り組む方々向けのパブコメ参考例

1 総論(運用基準Ⅰの1)
私は、戦争をしたくないと思っている市民です。秘密保護法は、「対テロ戦争」などの戦争の実態を隠す法律です。日本が、軍機保護法と大本営発表を用いて悲惨な戦争を遂行したことを繰り返してはいけません。戦争に関わる情報を国民から隠し、戦争に反対する人々を「テロ支援者」などとして監視しうる秘密保護法自体がそもそも問題です。運用基準や政令で小手先の調整をしても、本質的な解決にはなりませんし、下記のとおり限定など全くできていません。秘密保護法自体の廃止を求めます。

2 秘密の指定・解除
(1)防衛分野の別表該当性(運用基準Ⅱの1の(1))
ア 別表の要件を全く限定していません。例えば、別表第1号ロ「防衛に関し収集した・・・その他の重要な情報」については「情報収集手段を用いて収集した情報」(別表第1号ロa)など収集手段についてしか触れておらず、「重要な情報」かどうかの判断基準が全くなく、行政機関に判断を丸投げしています。
 また、別表第1号イ「自衛隊の運用又はこれに関する見積もり等」や別表第1号ニ「防衛力の整備に関する見積り等」についても、「自衛隊の運用又はこれに関する見積もり等」(イb)や「自衛隊及び米軍の防衛力の整備に関する見積もり等」(ニc)と、別表の文言と同じことを繰り返すだけで限定になっていません。「運用・見積り・計画・研究」が指すものは極めて広いため、自衛隊に関するあらゆる情報が含まれかねません。

イ 無限定どころか、運用基準案では、あちこちに「米軍の」という法律にない文言が付け加えられ範囲が拡大されており、これは秘密保護法にさえ違反しています。例えば「自衛隊の運用又はこれに関する見積もり」等(別表第1号イ)については、「自衛隊及び米軍の運用又は・・・」とあり、米軍に関するあらゆる情報が含まれかねません。

ウ 米軍に関する情報を特定秘密に盛り込むことは、集団的自衛権との関係で問題です。集団的自衛権行使は、憲法にも違反しており、国民が危険にさらされるため許されません。とりわけ米国は過去にも、虚偽の情報に基づいて戦争をしたことがあります。米軍による捕虜への拷問・虐待も問題となりました。米軍に関する情報を特定秘密にすることは、米軍の戦争の誤りを裏付ける証拠を隠し、誤った戦争に国民を引きずりこみかねません。

エ また、在日米軍の基地がある日本で、米兵による犯罪、米軍のヘリコプター等の事故等で被害を受けるのは日本国民です。米軍の訓練内容が暴力性を増長するものだとか、ヘリコプターの飛行経路等、米軍の行動について何らの情報も得られなければ、責任追及も被害回復も十分にできません。米軍に関する情報を広範に隠すこの運用基準は、その意味でも許されません。

(2)外交分野の別表該当性(運用基準Ⅱの1の(1))
武力衝突には外交交渉が先立ちますが、外交分野でも基準が広範、無限定です。「各国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針」、「ハaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力」という広範な基準では、日本への核兵器持ち込みなど有事対応に関する外国との密約も隠されかねません。

(3)特定有害活動分野やテロ活動分野の別表該当性(運用基準Ⅱの1の(1))
「重要施設、要人等に対する警戒警備」「サイバー攻撃の防止」とありますが、その名目での活動の内容が全く無限定です。国際NGOなど、紛争当事国と関わる市民に対する監視活動が行われても、それさえも隠せかねません。また「情報収集手段を用いて収集した情報」というのは手段の指摘でしかなく、「重要な情報」かどうかの判断は行政機関に丸投げされています。

(4)外交秘密指定・テロ活動・特定有害活動の別表該当性(運用基準Ⅱの1の(1))
「外国の政府等との協力の方針又は内容のうち、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの」とありますが、外国政府等の措置の有無は、国によっては極めて調査が困難です。これを指定基準とするのは、取材や調査をするときに別表該当性を予測できないため、不当です。

(5)指定期間(運用基準Ⅱの4の(2)、同Ⅲ)
武力紛争が終結するまで秘密指定を解除しないとなれば、戦争の始まりや経過に誤りがあっても正せません。期間設定の要件が曖昧すぎ、また30年以上の期間延長さえ「特に慎重に行う」とあるだけでは何の縛りにもなっていません。



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by himituho | 2014-08-05 14:36 | 秘密保護法パブコメ
2014年 08月 04日

【パブコメ・テーマ別】脱原発に取り組む方々向けのパブコメ参考例

秘密保護法関連のパブコメについて、市民の方々から、「テーマ別に参考例を作ってほしい」という意見が寄せられたため、順次、テーマ別で掲載していきます。

脱原発に取り組む方々向けのパブコメ参考例

※ 運用基準パブコメについて出すだけでも良いですが、一部、政令についても意見を述べているので内閣府令パブコメについても出すことは可能です。

1 パブリック・コメントに臨む私の基本的立場(統一運用基準Ⅰ1)
 私は、脱原発の実現を求め、秘密保護法の廃止を求める市民である。このパブリック・コメントでは、法律をそのままにして、政令案や運用基準案についてだけ、意見を述べることを求めている。
 しかし、特定秘密保護法は市民の知る権利を侵害する憲法21条、自由権規約19条違反の法律である。秘密保護法の制定前でも、政府はメルトダウンの情報、スピーディの情報、汚染水が海に漏えいしていることを市民から隠した。この秘密保護法の下では、原発の安全性や原発事故の被害の実情について市民が知るべき情報が特定秘密に指定されてしまうことは防げない。違憲な法律は、廃止するしかない。私は、政令や運用基準の制定そのものに反対だ。

2 ジャーナリストも市民も平等だ(統一運用基準Ⅰ2(1)ウ)
 運用基準では、「出版又は報道の業務に従事する者と接触する際には、特定秘密保護法第22条1項及び第2項の規定を遵守し、報道又は取材の自由に十分に配慮すること」とあるが、なぜジャーナリストの報道又は取材の自由だけが特に留意され、その他の環境活動家や人権活動家等、公益活動を行う者の情報公開又は情報収集活動が保護されないのか。欧州人権裁判所の判例ではジャーナリストだけではなく、人権活動家等も同等の保護を受けるべきとされている。

第2 秘密の指定・解除
1 政府は自らの違法行為を秘密指定するな(統一運用基準Ⅱ1、同Ⅲ2(1)、同Ⅲ2(2))
 本来は、法律の段階で、せめて政令の段階で、特定秘密の指定と解除、廃棄の各段階において、政府の違法行為や汚職腐敗、環境汚染の事実などを秘密指定してはならないことを要件としてきちんと書き込むべきだ。

2 法令違反の秘密指定禁止は法律政令事項にせよ(統一運用基準Ⅱ1(4))
 特に遵守すべき事項として、「公益通報の対象事実その他の行政機関の法令違反の隠蔽を目的として、指定してはならないこと。」が決められた。これは、「公益通報の対象事実その他の行政機関の法令違反の事実を指定してはならないこと」を法律、せめて政令のレベルで明記するべきだ。

3 テロ活動別表該当性について(統一運用基準Ⅱ1(1))
 原発に関する情報はテロ対策を理由に秘密とされる可能性がある。テロ活動別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「重要施設、要人等に対する警戒警備」「サイバー攻撃の防止」「情報収集手段を用いて収集した情報」など、余りにも広範で、市民の知る権利を侵害する秘密が指定される可能性が高い。

第3 第三者機関
1 独立公文書管理監は同じ穴のムジナだ(統一運用基準Ⅴ3(1)ア、内閣府令)
 独立公文書管理監について、内閣府令に設置根拠だけは作られたが、その構成メンバーの選任基準は全く明確にされていない。事前の報道では防衛省、外務省、警察庁の審議官レベルで構成するとされていた。これでは同じ穴のムジナだ。

2 独立公文書管理監の秘密指定行政機関からの出向人事の禁止を(統一運用基準Ⅴ3(1)イウ、内閣府令)
 独立公文書管理監は秘密の指定、解除について、行政機関を管理監督するというが、独立性を確保するには、政令レベルせめて運用基準で、秘密指定行政機関に帰るような出向人事は否定しなければ、独立性は確保できない。

3 秘密開示の権限がない機関では意味がない(統一運用基準Ⅴ3(2)ウ、内閣府令)
 独立公文書管理監が特定秘密の開示を求めても、行政機関は「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められない」ときには、理由を疎明すれば開示を拒否できるとされている。特定秘密に対する完全な開示の権限を持たないような、第三者機関は意味がない。

第4 内部通報の実効性内部通報制度は内部告発の封じ込め手段になりかねない(統一運用基準Ⅴ4(2)ア(エ)、同Ⅴ4(2)イ(キ))
 内部通報は公務員が秘密の指定などが秘密保護法等に従っていないと考えたときにできるとされた。しかし、秘密保護法自身が政府の違法行為等について秘密指定を禁止していない以上、公務員が秘密の指定などが秘密保護法等に従っていないと考えられるような場合はほとんど想定できず、公務員が違法秘密と考えた場合も、通報は取り上げられない可能性が高い。そうだとすると、内部通報・市民団体はマスコミなど外部に情報を出ないようにするための封じ込め手段になりかねない。



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by himituho | 2014-08-04 11:01 | 秘密保護法パブコメ
2014年 08月 03日

【お知らせ】秘密保護法関連のパブコメの提出ウェブサイトのご案内

秘密保護法関連のパブコメは、以下のウェブサイトから提出できますので、どうぞご活用ください。

○「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見募集の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072401&Mode=0

○「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見募集の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072402&Mode=0

○「内閣府本府組織令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集の実施について(特定秘密保護法関連)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072403&Mode=0

政府の公表した資料も貼られています。
ページ下の「意見提出フォームへ」を押して、2000字以内で記入して下さい。

パブコメの文例については、当ブログに参考記事を載せてあります。
また、パブコメのための学習会やワークショップも実施していますので、ぜひ参加してみて頂ければと思います。


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by himituho | 2014-08-03 21:06 | 秘密保護法パブコメ
2014年 08月 01日

【お知らせ】秘密保護法の問題点(パブコメの参考)、対象項目を追記しました

秘密保護法関連のパブコメについてですが、提出する際に、条文・項目と関連させた方が良いということなので、以前に載せた、秘密保護法の問題点をまとめたものに、その点を加筆しました。

<注意>
以下、①「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」を「施行令」、
②「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(素案)」を「統一運用基準」、
③「内閣府本府組織令の一部を改正する政令(案)」を「内閣府令」という。

以下の主張うち、賛同できるものを選択し、ご自身のパブコメの作成にお役立てください。

第1 総論
1 パブリック・コメントに臨む私たちの基本的立場(統一運用基準Ⅰ1)
 私たちは、秘密保護法の廃止を求める市民の集まりです。今、政府は秘密保護法の施行のための政令や運用基準案を公表して、これに対する市民の意見を準備するパブリック・コメントを募集しています。このパブリック・コメントでは、法律をそのままにして、政令案や運用基準案についてだけ、意見を述べることを求めています。
 しかし、特定秘密保護法は市民の知る権利を侵害する憲法21条、自由権規約19条違反の法律です。この秘密保護法の下では、市民が知るべき情報が特定秘密に指定されてしまうことは防げません。特定秘密保護法をそのままにして、政令や運用基準でさまざまな監視機関を作ったり、内部通報制度を作っても、有効に機能するわけがないのです。
 違憲な法律は、廃止するしかありません。私たちは、政令や運用基準の制定そのものに反対です。

2 自由権規約委員会からもレッドカード(統一運用基準Ⅰ1)
 2014年7月26日、自由権規約委員会より日本政府に対して以下のような勧告意見が出された。
 「23.委員会は、近年国会で採決された特定秘密保護法が、秘密指定の対象となる情報について曖昧かつ広汎に規定されている点、指定について抽象的要件しか規定されていない点、およびジャーナリストや人権活動家の活動に対し萎縮効果をもたらしかねない重い刑罰が規定されている点について憂慮する(自由権規約19条)。
日本政府は、特定秘密保護法とその運用が、自由権規約19条に定められる厳格な基準と合致することを確保するため、必要なあらゆる措置を取るべきである。とりわけ下記事項は保障されなければならない。
(a)特定秘密に指定されうる情報のカテゴリーが狭く定義されていること、また、情報を収集し、受取り、発信する権利に対する制約が、適法かつ必要最小限度であって、国家安全保障に対する明確かつ特定された脅威を予防するための必要性を備えたものであること。
(b)何人も、国家安全保障を害することのない真の公益に関する情報を拡散させたことによって罰せられないこと。」
 この勧告にしたがって、日本政府はただちに特定秘密保護法を抜本的に見直すべきである。

3 ツワネ原則に従い全面的な見直しを(統一運用基準Ⅰ1)
 特定秘密保護法は、既存の国家公務員法や自衛隊法、日米安全保障条約に関連する秘密保全法制度、情報公開制度、公文書管理制度、公益通報者保護制度を含めて、自由権規約19条によって保障される表現の自由・知る権利と国際的に承認されたツワネ原則などに基づいて、より情報公開が図られ、市民の知る権利を保障する方向で、以下の諸点を含む全面的な制度の見直しを行うべきである。
① 秘密指定の立証責任は国にあることを法律に明記する。
② 何を秘密としてはならないかを法律において明確にする。
③ 秘密指定について60年よりも短い期限を法律で定める。
④ 市民が、秘密解除を請求するための手続を法律に明確に定めること。
⑤ 刑事裁判において、公開法廷で秘密の内容を議論できることを法律において保障すること。
⑥ すべての情報にアクセスし、秘密指定を解除できる政府から独立した監視機関を法律に基づいて設置すること。
⑦ 内部告発者が刑事処罰から解放されることを法律上明確に保障すること。
⑧ ジャーナリストと市民活動家を処罰してはならず、情報源の開示を求めてはならないことを法律に明確に定めること。

4 ジャーナリストも市民も平等だ(統一運用基準Ⅰ2(1)ウ)
 運用基準では、「出版又は報道の業務に従事する者と接触する際には、特定秘密保護法第22条1項及び第2項の規定を遵守し、報道又は取材の自由に十分に配慮すること」とあるが、なぜジャーナリストの報道又は取材の自由だけが特に留意され、その他の環境活動家や人権活動家等、公益活動を行う者の情報公開又は情報収集活動が保護されないのか。欧州人権裁判所の判例(2005年2月15日SteelおよびMorris対イギリス事件。通称「マック名誉毀損事件」)によれば、ジャーナリストだけではなく、人権活動家等も同等の保護を受けるべきとされている。

5 秘密法違反の法廷では特定秘密を開示すること(施行令18条)
 特定秘密保護法により起訴された刑事事件の裁判手続において、証拠開示決定がなされた場合には秘密指定を解除しなければならないとされているが(逐条解説57頁)、証拠開示決定に至らなかった場合には、刑事弁護人に対しても特定秘密は開示されないのか。逐条解説57頁によると、「かかる検察官による裁判所への提示のほか、当該捜査又は公訴の維持に必要な業務に従事する者以外の者に当該特定秘密を提供することがない」と記述されており、「検察官」「裁判所」は明記されているのに対して、「弁護人」が明記されていない。裁判所がインカメラ手続を経た上で証拠開示決定を行わなければ、「弁護人」に対してのみ公訴事実となっている特定秘密が提供されないことになり、実質的武器対等の原則に反し、被告人の防御権に対する不当な制約となり許されない。

第2 秘密の指定・解除
1 政府は自らの違法行為を秘密指定するな(統一運用基準Ⅱ1、同Ⅲ2(1)、同Ⅲ2(2))
 本来は、法律の段階で、せめて政令の段階で、特定秘密の指定と解除、廃棄の各段階において、政府の違法行為や汚職腐敗、環境汚染の事実などを秘密指定してはならないことを要件としてきちんと書き込むべきだ。そして、このような事項を違法に秘密指定したり、これを黙認した公務員に対して懲戒責任を問えるようにするべきだ。

2 法令違反の秘密指定禁止は法律政令事項にせよ(統一運用基準Ⅱ1(4))
 特に遵守すべき事項として、「公益通報の対象事実その他の行政機関の法令違反の隠蔽を目的として、指定してはならないこと。」が決められた。これは、「公益通報の対象事実その他の行政機関の法令違反の事実を指定してはならないこと」を法律、せめて政令のレベルで明記するべきだ。

3 防衛秘密指定の別表該当性について(統一運用基準Ⅱ1(1))
 防衛秘密指定の別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「情報手段を用いて収集した情報」(別表第1号ロa)「国内外の諸情勢に関する見積もり」(ニa)、防衛力の整備や能力の見積もり、計画、研究(ニbc)など、余りにも広範である。

4 外交秘密指定の別表該当性について(統一運用基準Ⅱ1(1))
 外交秘密指定の別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「各国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針」、「ハaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力」など、余りにも広範である。

5 テロ活動別表該当性について(統一運用基準Ⅱ1(1))
 テロ活動別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「重要施設、要人等に対する警戒警備」「サイバー攻撃の防止」「情報収集手段を用いて収集した情報」など、余りにも広範である。

6 特定有害活動(スパイ活動)別表該当性について(統一運用基準Ⅱ1(1))
 特定有害活動(スパイ活動)別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「重要施設、要人等に対する警戒警備」「サイバー攻撃の防止」「情報収集手段を用いて収集した情報」など、余りにも広範である。

7 外国政府の措置を要件とすることは予見不可能(統一運用基準Ⅱ1(1))
 外交秘密指定・テロ活動・特定有害活動の別表該当性については、「外国の政府等との協力の方針又は内容のうち、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの」として、外国政府等の措置の有無という、当該外国によっては当事者にとって極めて調査が困難な事由を秘密指定の基準としており、予見可能性がなく妥当ではない。

第3 適性評価
1 医療機関に対する医療情報の照会をするな(統一運用基準Ⅳ5(5))
 医療機関に対して個人の医療情報の照会を行うことは、医師に対して守秘義務違反の情報提供を強要することとなる。

2 適性評価の強制は許されない(統一運用基準Ⅳ3(3)ア)
 適合事業者の従業者についての適性評価は、「契約後当該事業者が特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった後に実施する」とされており、まだ契約締結が不確かな「見込まれる」という状況であっても、契約を締結するために適性評価に進んで応じざるを得ない状況を作り出している。

3 適性評価の範囲が無限定だ(統一運用基準Ⅳ5(6)ア)
 運用基準では、面接などで「疑問点、矛盾点その他の事実を明らかにすべき事項がないかどうかを確認することを基本とし、これにより疑問点が解消されない場合等に、公務所等への照会を行うものとする。ただし、調査を適切に実施するために必要があるときは、これらの手続の順序を入れ替えて実施することを妨げない」として、「調査を適切に実施するために必要があるとき」という極めて不明確な要件で、要件充足の判断手続も明らかでないまま、評価対象者の極めて個人的な情報について公務所又は公私の団体に対して調査を行うことが可能とされ、原則と例外が逆になってしまうおそれがある。

第4 第三者機関
1 独立公文書管理監は同じ穴のムジナだ(統一運用基準Ⅴ3(1)ア、内閣府令)
 独立公文書管理監について、内閣府令に設置根拠だけは作られたが、その構成メンバーの選任基準は全く明確にされていない。事前の報道では防衛省、外務省、警察庁の審議官レベルで構成するとされていた。これでは同じ穴のムジナだ。

2 独立公文書管理監の秘密指定行政機関からの出向人事の禁止を(統一運用基準Ⅴ3(1)イウ、内閣府令)
 独立公文書管理監は秘密の指定、解除について、行政機関を管理監督するというが、独立性を確保するには、政令レベルせめて運用基準で、秘密指定行政機関に帰るような出向人事は否定しなければ、独立性は確保できない。

3 秘密開示の権限がない機関では意味がない(統一運用基準Ⅴ3(2)ウ、内閣府令)
 独立公文書管理監が特定秘密の開示を求めても、行政機関は「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められない」ときには、理由を疎明すれば開示を拒否できるとされている。特定秘密に対する完全な開示の権限を持たないような、第三者機関は意味がない。

4 独立公文書管理監はツワネ原則違反(統一運用基準Ⅴ3、内閣府令)
 知る権利と安全保障に関する国際基準であるツワネ原則は、すべての情報に対するアクセスを認められた、独立第三者機関が必要であるとしている。独立公文書管理監はこのような機関に該当しない。

第5 内部通報の実効性
1 政府の法令違反について秘密指定をしてはならないという規定がない以上内部通報には実効性がない(統一運用基準Ⅴ4(2)ア(エ)、同Ⅴ4(2)イ(キ))
 内部通報窓口を19機関と独立公文書管理監に設置したとされるが、法律や政令中に、政府の法令違反について秘密指定をしてはならないという規定がない以上、公務員が、その秘密指定が秘密保護法に違反していると確信できるなどという場合はほとんどあり得ず、公益通報の実効性は全くない。

2 内部通報制度は内部告発の封じ込め手段になりかねない(統一運用基準Ⅴ4(2)ア(エ)、同Ⅴ4(2)イ(キ))
 内部通報は公務員が秘密の指定などが秘密保護法等に従っていないと考えたときにできるとされた。しかし、秘密保護法自身が政府の違法行為等について秘密指定を禁止していない以上、公務員が秘密の指定などが秘密保護法等に従っていないと考えられるような場合はほとんど想定できず、公務員が違法秘密と考えた場合も、通報は取り上げられない可能性が高い。そうだとすると、内部通報・市民団体はマスコミなど外部に情報を出ないようにするための封じ込め手段になりかねない。


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by himituho | 2014-08-01 10:33 | 秘密保護法パブコメ
2014年 07月 28日

【お知らせ】秘密保護法の問題点(パブコメの参考)

秘密保護法に関して、以下の3つのパブコメが募集されています。

「内閣府本府組織令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集の実施について(特定秘密保護法関連)

「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見募集の実施について

「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見募集の実施について


そこで、運用基準案等の問題点を書き出してみました。
みなさんがパブコメを出される際の参考にして下さい。

以下の主張うち、賛同できるものを選択し、ご自身のパブコメの作成にお役立てください。

第1 総論 

2014726日、自由権規約委員会より日本政府に対して以下のような勧告意見が出された。

23.委員会は、近年国会で採決された特定秘密保護法が、秘密指定の対象となる情報について曖昧かつ広汎に規定されている点、指定について抽象的要件しか規定されていない点、およびジャーナリストや人権活動家の活動に対し萎縮効果をもたらしかねない重い刑罰が規定されている点について憂慮する(自由権規約19条)。

日本政府は、特定秘密保護法とその運用が、自由権規約19条に定められる厳格な基準と合致することを確保するため、必要なあらゆる措置を取るべきである。とりわけ下記事項は保障されなければならない。

(a)特定秘密に指定されうる情報のカテゴリーが狭く定義されていること、また、情報を収集し、受取り、発信する権利に対する制約が、適法かつ必要最小限度であって、国家安全保障に対する明確かつ特定された脅威を予防するための必要性を備えたものであること。

(b)何人も、国家安全保障を害することのない真の公益に関する情報を拡散させたことによって罰せられないこと。」

この勧告にしたがって、日本政府はただちに特定秘密保護法を抜本的に見直すべきである。


○特定秘密保護法は国民の知る権利を侵害する憲法21条、自由権規約19条違反の法律だ。違憲な法律は、廃止するしかない。特定秘密保護法をそのままにして、運用基準のレベルでさまざまな監視機関を作ったり、内部通報制度を作っても、有効に機能するわけがない。


〇特定秘密保護法は、既存の国家公務員法や自衛隊法、日米安全保障条約に関連する秘密保全法制度、情報公開制度、公文書管理制度、公益通報者保護制度を含めて、自由権規約19条によって保障される表現の自由・知る権利と国際的に承認されたツワネ原則などに基づいて、より情報公開が図られ、市民の知る権利を保障する方向で、以下の諸点を含む全面的な制度の見直しを行うべきである。

秘密指定の立証責任は国にあることを法律に明記する。

何を秘密としてはならないかを法律において明確にする。

秘密指定について60年よりも短い期限を法律で定める。

市民が、秘密解除を請求するための手続を法律に明確に定めること。

刑事裁判において、公開法廷で秘密の内容を議論できることを法律において保障すること。

すべての情報にアクセスし、秘密指定を解除できる政府から独立した監視機関を法律に基づいて設置すること。

内部告発者が刑事処罰から解放されることを法律上明確に保障すること。

ジャーナリストと市民活動家を処罰してはならず、情報源の開示を求めてはならないことを法律に明確に定めること。


○運用基準では、「出版又は報道の業務に従事する者と接触する際には、特定秘密保護法第22条1項及び第2項の規定を遵守し、報道又は取材の自由に十分に配慮すること」とあるが、なぜジャーナリストの報道又は取材の自由だけが特に留意され、その他の環境活動家や人権活動家等、公益活動を行う者の情報公開又は情報収集活動が保護されないのか。欧州人権裁判所の判例(2005215SteelおよびMorris対イギリス事件。通称「マック名誉毀損事件」)によれば、ジャーナリストだけではなく、人権活動家等も同等の保護を受けるべきとされている。


〇特定秘密保護法により起訴された刑事事件の裁判手続において、証拠開示決定がなされた場合には秘密指定を解除しなければならないとされているが(逐条解説57頁)、証拠開示決定に至らなかった場合には、刑事弁護人に対しても特定秘密は開示されないのか。逐条解説57頁によると、「かかる検察官による裁判所への提示のほか、当該捜査又は公訴の維持に必要な業務に従事する者以外の者に当該特定秘密を提供することがない」と記述されており、「検察官」「裁判所」は明記されているのに対して、「弁護人」が明記されていない。裁判所がインカメラ手続を経た上で証拠開示決定を行わなければ、「弁護人」に対してのみ公訴事実となっている特定秘密が提供されないことになり、実質的武器対等の原則に反し、被告人の防御権に対する不当な制約となり許されない。


第2 秘密の指定・解除

○本来は、法律の段階で、せめて政令の段階で、特定秘密の指定と解除、廃棄の各段階において、政府の違法行為や汚職腐敗、環境汚染の事実などを秘密指定してはならないことをきちんと書き込むべきだ。そして、このような事項を違法に秘密指定したり、これを黙認した公務員に対して懲戒責任を問えるようにするべきだ。


○特に遵守すべき事項として、「公益通報の対象事実その他の行政機関の法令違反の隠蔽を目的として、指定してはならないこと。」が決められた。これは、「公益通報の対象事実その他の行政機関の法令違反の事実を指定してはならないこと」を法律、せめて政令のレベルで明記するべきだ。


○防衛秘密指定の別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「情報手段を用いて収集した情報」(別表第1号ロa)「国内外の諸情勢に関する見積もり」(ニa)、防衛力の整備や能力の見積もり、計画、研究(ニbc)など、余りにも広範である。


○外交秘密指定の別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「各国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針」、「ハaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力」など、余りにも広範である。


○テロ活動別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「重要施設、要人等に対する警戒警備」「サイバー攻撃の防止」「情報収集手段を用いて収集した情報」など、余りにも広範である。


○特定有害活動(スパイ活動)別表該当性については、別表を多少詳細にしたように見えるが、無限定な規定が極めて多い。「重要施設、要人等に対する警戒警備」「サイバー攻撃の防止」「情報収集手段を用いて収集した情報」など、余りにも広範である。


〇外交秘密指定・テロ活動・特定有害活動の別表該当性については、「外国の政府等との協力の方針又は内容のうち、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの」として、外国政府等の措置の有無という、当該外国によっては当事者にとって極めて調査が困難な事由を秘密指定の基準としており、予見可能性がなく妥当ではない。


第3 適性評価

○ 医療機関に対して個人の医療情報の照会を行うことは、医師に対して守秘義務違反の情報提供を強要することとなる。


〇適合事業者の従業者についての適性評価は、「契約後当該事業者が特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった後に実施する」とされており、まだ契約締結が不確かな「見込まれる」という状況であっても、契約を締結するために適性評価に進んで応じざるを得ない状況を作り出している。


〇運用基準では、面接などで「疑問点、矛盾点その他の事実を明らかにすべき事項がないかどうかを確認することを基本とし、これにより疑問点が解消されない場合等に、公務所等への照会を行うものとする。ただし、調査を適切に実施するために必要があるときは、これらの手続の順序を入れ替えて実施することを妨げない」として、「調査を適切に実施するために必要があるとき」という極めて不明確な要件で、要件充足の判断手続も明らかでないまま、評価対象者の極めて個人的な情報について公務所又は公私の団体に対して調査を行うことが可能とされ、原則と例外が逆になってしまうおそれがある。


第4 第三者機関

○独立公文書管理監について、内閣府令に設置根拠だけは作られたが、その構成メンバーの選任基準は全く明確にされていない。事前の報道では防衛省、外務省、警察庁の審議官レベルで構成するとされていた。これでは同じ穴のムジナだ。


○独立公文書管理監は秘密の指定、解除について、行政機関を管理監督するというが、独立性を確保するには、政令レベルせめて運用基準で、秘密指定行政機関に帰るような出向人事は否定しなければ、独立性は確保できない。


○独立公文書管理監が特定秘密の開示を求めても、行政機関は「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められない」ときには、開示を拒否できるとされている。特定秘密に対する完全な開示の権限を持たないような、第三者機関は意味がない。


○知る権利と安全保障に関する国際基準であるツワネ原則は、すべての情報に対するアクセスを認められた、独立第三者機関が必要であるとしている。独立公文書管理監はこのような機関に該当しない。


第5 内部通報の実効性

○内部通報窓口を19機関と独立公文書管理監に設置したとされるが、法律や政令中に、政府の法令違反について秘密指定をしてはならないという規定がない以上、公務員が、その秘密指定が秘密保護法に違反していると確信できるなどという場合はほとんどあり得ず、公益通報の実効性は全くない。


○内部通報は公務員が秘密の指定などが秘密保護法等に従っていないと考えたときにできるとされた。しかし、秘密保護法自身が政府の違法行為等について秘密指定を禁止していない以上、公務員が秘密の指定などが秘密保護法等に従っていないと考えられるような場合はほとんど想定できない。



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by himituho | 2014-07-28 13:29 | 秘密保護法パブコメ
2014年 07月 24日

【ニュース】特定秘密基準で意見募集=24日から1カ月―政府

政府は昨日23日、特定秘密保護法の運用基準案と施行令案に関するパブリックコメント(意見募集)を24日から1カ月実施すると発表したようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140723-00000100-jij-pol 時事通信社

運用基準案等の問題点について、意見を寄せましょう!



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by himituho | 2014-07-24 11:33 | 秘密保護法パブコメ


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