2014年 08月 12日
【パブコメ・テーマ別】知る権利やジャーナリズムに関心がある方々向けのパブコメ参考例 |
秘密保護法関連のパブコメについて、市民の方々から、「テーマ別に参考例を作ってほしい」という意見が寄せられたため、順次、テーマ別で掲載していきます。
※運用基準に対するパブコメになります。施行令や内閣府令に対する参考例は、他のものをご参照ください。
1 総論(運用基準Ⅰの1)
私は知る権利やジャーナリズムに関心がある市民である。民主主義国家が機能するためには、情報が流通していて、主権者が多種多様な情報にアクセスでき、それらの情報に基づいて判断を下せることが必要不可欠だ。しかし、秘密保護法は、秘密の範囲が不明確で、厳罰を科すものであり、取材・報道を萎縮させ、市民の知る権利を侵害する。私は、同法に関する政令や運用基準の制定だけで、その問題点を解消することはできず、秘密保護法自体を廃止すべきと考える。
以上を前提とした上で、運用基準に対する私の意見を述べる。
2 運用基準の基本的な考え方に対して(運用基準Ⅰ)
運用基準の基本的な考え方として、「報道・取材の自由の尊重」が書かれているが(運用基準Ⅰの2(1))、特定秘密を取り扱う者の責務として、「秘密の漏えいの働き掛けを受けた場合又はその兆候を認めた場合には、上司その他の適当な者へ報告するなど、適切に対処するものとする。」(運用基準Ⅰの3(3))などとも書かれている。
報道・取材には情報提供を受けることが欠かせないところ、働きかけの兆候の段階で、取材対象者が萎縮してしまっては、もはや取材は成り立たない。結局は「報道・取材の自由」は骨抜きになる。
運用基準Ⅰの3(3)は、通常の情報提供をも抑止させるおそれがあるため、削除すべきだ。
3 特定秘密の指定について(運用基準Ⅱ)
運用基準Ⅱの1(4)イに、特に遵守すべき事項として、「公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反の隠蔽を目的として、指定してはならないこと。」が規定された。これは、運用基準だけでなく、本来は法、少なくとも政令に規定されるべきものだ。
また、「公益通報の通報対象事実」だけでなく、すべての法令違反行為(法令違反のおそれがある場合も含む)について、秘密指定してはならないことを明記すべきである。
4 別表該当性について(運用基準Ⅱの1(1))
(1)以下のとおり範囲が広すぎるため、ジャーナリストや市民が当該情報を入手しようとした場合に判断困難で、萎縮してしまうおそれがある。限定が必要である。
① 別表第1号(防衛に関する事項)
「ロa情報収集手段を用いて収集した情報」「ニa 国内外の諸情勢に関する見積もり」「ニbc防衛力の整備や能力の見積もり、計画、研究」
② 別表第2号(外交に関する事項)
「イ外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針」、「ニハaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力」
③ 別表第3号(特定有害活動の防止に関する事項)
「イa(b)重要施設、要人等に対する警戒警備」「同(c)サイバー攻撃の防止」「ロa情報収集手段を用いて収集した情報」
④ 別表第4号(テロリズムの防止に関する事項)
「イa(c)重要施設、要人等に対する警戒警備」「同(d)サイバー攻撃の防止」「ロa 情報収集手段を用いて収集した情報」
(2)別表第2号イ(b)・別表第3号イ(b)・別表第4号イ(b)の別表該当性については、「外国の政府等との協力の方針・・・・のうち当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの」と規定されているが、「外国政府等の措置の有無」については、ジャーナリストや市民による調査が困難な場合が多い。規定として不適切である。
5 内部通報について(運用基準Vの4)
運用基準Ⅴの4(2)ア(エ)、同Ⅴの4(2)イ(キ)において、内部通報窓口を19機関と管理監に設置することが規定されている。しかし、法律や政令中に、政府の違法行為等を秘密指定してはならないという規定がない以上、公益通報の実効性は全くない。したがって、法令違反行為(法令違反のおそれがある場合も含む)を秘密指定してはならず、この点を内部通報した者は保護されることを明記し、取材対象者となる者の内部通報を広く保護すべきである。

人気ブログランキングへ
知る権利やジャーナリズムに関心がある方々向けのパブコメ参考例
※運用基準に対するパブコメになります。施行令や内閣府令に対する参考例は、他のものをご参照ください。
1 総論(運用基準Ⅰの1)
私は知る権利やジャーナリズムに関心がある市民である。民主主義国家が機能するためには、情報が流通していて、主権者が多種多様な情報にアクセスでき、それらの情報に基づいて判断を下せることが必要不可欠だ。しかし、秘密保護法は、秘密の範囲が不明確で、厳罰を科すものであり、取材・報道を萎縮させ、市民の知る権利を侵害する。私は、同法に関する政令や運用基準の制定だけで、その問題点を解消することはできず、秘密保護法自体を廃止すべきと考える。
以上を前提とした上で、運用基準に対する私の意見を述べる。
2 運用基準の基本的な考え方に対して(運用基準Ⅰ)
運用基準の基本的な考え方として、「報道・取材の自由の尊重」が書かれているが(運用基準Ⅰの2(1))、特定秘密を取り扱う者の責務として、「秘密の漏えいの働き掛けを受けた場合又はその兆候を認めた場合には、上司その他の適当な者へ報告するなど、適切に対処するものとする。」(運用基準Ⅰの3(3))などとも書かれている。
報道・取材には情報提供を受けることが欠かせないところ、働きかけの兆候の段階で、取材対象者が萎縮してしまっては、もはや取材は成り立たない。結局は「報道・取材の自由」は骨抜きになる。
運用基準Ⅰの3(3)は、通常の情報提供をも抑止させるおそれがあるため、削除すべきだ。
3 特定秘密の指定について(運用基準Ⅱ)
運用基準Ⅱの1(4)イに、特に遵守すべき事項として、「公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反の隠蔽を目的として、指定してはならないこと。」が規定された。これは、運用基準だけでなく、本来は法、少なくとも政令に規定されるべきものだ。
また、「公益通報の通報対象事実」だけでなく、すべての法令違反行為(法令違反のおそれがある場合も含む)について、秘密指定してはならないことを明記すべきである。
4 別表該当性について(運用基準Ⅱの1(1))
(1)以下のとおり範囲が広すぎるため、ジャーナリストや市民が当該情報を入手しようとした場合に判断困難で、萎縮してしまうおそれがある。限定が必要である。
① 別表第1号(防衛に関する事項)
「ロa情報収集手段を用いて収集した情報」「ニa 国内外の諸情勢に関する見積もり」「ニbc防衛力の整備や能力の見積もり、計画、研究」
② 別表第2号(外交に関する事項)
「イ外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針」、「ニハaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力」
③ 別表第3号(特定有害活動の防止に関する事項)
「イa(b)重要施設、要人等に対する警戒警備」「同(c)サイバー攻撃の防止」「ロa情報収集手段を用いて収集した情報」
④ 別表第4号(テロリズムの防止に関する事項)
「イa(c)重要施設、要人等に対する警戒警備」「同(d)サイバー攻撃の防止」「ロa 情報収集手段を用いて収集した情報」
(2)別表第2号イ(b)・別表第3号イ(b)・別表第4号イ(b)の別表該当性については、「外国の政府等との協力の方針・・・・のうち当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの」と規定されているが、「外国政府等の措置の有無」については、ジャーナリストや市民による調査が困難な場合が多い。規定として不適切である。
5 内部通報について(運用基準Vの4)
運用基準Ⅴの4(2)ア(エ)、同Ⅴの4(2)イ(キ)において、内部通報窓口を19機関と管理監に設置することが規定されている。しかし、法律や政令中に、政府の違法行為等を秘密指定してはならないという規定がない以上、公益通報の実効性は全くない。したがって、法令違反行為(法令違反のおそれがある場合も含む)を秘密指定してはならず、この点を内部通報した者は保護されることを明記し、取材対象者となる者の内部通報を広く保護すべきである。
人気ブログランキングへ
by himituho
| 2014-08-12 22:08
| 秘密保護法パブコメ


