2014年 08月 22日
【パブコメ・テーマ別】適性評価制度に問題意識を持つ方々向けのパブコメ参考例 |
秘密保護法関連のパブコメについて、市民の方々から、「テーマ別に参考例を作ってほしい」という意見が寄せられたため、順次、テーマ別で掲載していきます。
第1 総論
1 私は、この運用基準案に反対です。特定秘密保護法は憲法や国連自由権規約に違反する法律であって、運用基準案でどれだけ詳しい手続を定めたとしても、その問題が解消されていないからです。
特に、適性評価の点では、特定秘密保護法は、憲法に定める思想信条の自由、プライバシー権などを侵害します。運用基準案では思想信条、政治活動、労働組合活動についての調査は慎むようにと書かれていますが(Ⅳ1(4))、運用基準を無視してこれらの調査を行ってもなんの処罰も懲戒処分もありません。違反行為に対して何の歯止めにもならない無意味な運用基準であり、むしろ法律を廃止する方が適切とさえ考えられます。
2 適性評価で一番問題なのは、大臣等、適性評価の対象外とされている人たちへ色仕掛けで秘密を盗むこと(ハニートラップ)が全くカバーされていないということです。 秘密を守ろうという目的と手段が全く対応していません。
3 適性評価では、どんな調査をしたかは分かりませんし、知らされることもありません。調査の結果、もし間違った事実を記録されたとしても、それを確認する方法はなく、間違いを訂正する手段もありません。
また、同意不同意に関わらず、プライバシー情報の保存期間の制限がなく、ずっとプライバシー情報を保有し続けることができます。これは、憲法の定めるプライバシー権を侵害するもので、違憲というべきです。
第2 同意・人事について
1 自由な同意・不同意を決められるのが前提のはずですが、自分だけ同意しないと組織の中でどう扱われるか、という恐怖感があり、その下で事実上同意が強制される可能性が高いです。
2 運用基準では不同意書面を出すこととなっていますが(Ⅳ4(3))、これは秘密保護法にも根拠のないことであり違法です。
また、不同意書(別添3)には、「特定秘密の取り扱いの業務が予定されないポストに配置換えになること等があることについても理解しています」という記載があり、不利益処分を容認する以外の選択肢がない書式となっていて不当です。
3 そもそも評価担当者をだれがどうやって評価するかについても定めがありません。評価担当者がテロ組織とつながっていたら、適切な適性評価はできません。
第3 質問票(別添5)
犯罪及び懲戒の経歴(質問票4(1))について、既に処罰や処分が終わって償ったものまで申告させるのは問題があります。処罰や処分を受け、更生しているのであれば、書かせる必要は全くありません。しかも、犯罪や懲戒対象行為の動機まで書かせるのは、思想信条の侵害であり、プライバシーの過剰な取得です。
第4 公務所等への照会(Ⅳ5(5))
1 医療機関に対して個人の医療情報の照会を行うことは、医師に対して守秘義務違反の情報提供を強要することとなります。医師が患者からの相談内容を調査担当者に話してしまうと思うと、患者は医師に何でも相談できなくなります。そうすると、通院を控えたり、本当のことを言えなくなったりして、きちんとした治療が受けられず、不利益となります。
2 通信事業者に対して照会する場合、通信内容の報告をさせることも考えられます。これは憲法21条の定める通信の秘密を侵害する行為ですが禁止する規定がありません。裁判所の令状が必要な通信傍受と違い、適性評価の場合は裁判所のチェックはなく、同意をたてにしてなんでもやってしまうおそれがあります。
3 調査書で家族や関係者の住所氏名や国籍を報告させることになっていますが、家族等の同意は要件ではありません。それに、公務所照会として、内閣情報調査室、公安、自衛隊の情報保全隊等に照会し、照会するという名目で、事前に調査対象者の名簿をこれらの機関に流して事実上調査させることも考えられます。適性評価のための照会書(別添7)で、家族、関係者の住所氏名を記載して、「把握している情報を提供されたい」として、第三者提供の禁止をすり抜けた上で調査をさせることができてしまいます。そうすると、調査対象者の家族、関係者は、同意していないのにプライバシーを上記機関に把握されてしまいます。
第5 事業者(Ⅳ3(3)ア)
適合事業者の従業者についての適性評価は、「契約後当該事業者が特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった後に実施する」とされています。契約を締結するには適性評価に応じざるを得ないため、事実上、適性評価への同意が強制されています。強制された同意によるプライバシーの取得は、プライバシー権の侵害であり、憲法13条に反します。

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適性評価制度に問題意識を持つ方々向けのパブコメ参考例
第1 総論
1 私は、この運用基準案に反対です。特定秘密保護法は憲法や国連自由権規約に違反する法律であって、運用基準案でどれだけ詳しい手続を定めたとしても、その問題が解消されていないからです。
特に、適性評価の点では、特定秘密保護法は、憲法に定める思想信条の自由、プライバシー権などを侵害します。運用基準案では思想信条、政治活動、労働組合活動についての調査は慎むようにと書かれていますが(Ⅳ1(4))、運用基準を無視してこれらの調査を行ってもなんの処罰も懲戒処分もありません。違反行為に対して何の歯止めにもならない無意味な運用基準であり、むしろ法律を廃止する方が適切とさえ考えられます。
2 適性評価で一番問題なのは、大臣等、適性評価の対象外とされている人たちへ色仕掛けで秘密を盗むこと(ハニートラップ)が全くカバーされていないということです。 秘密を守ろうという目的と手段が全く対応していません。
3 適性評価では、どんな調査をしたかは分かりませんし、知らされることもありません。調査の結果、もし間違った事実を記録されたとしても、それを確認する方法はなく、間違いを訂正する手段もありません。
また、同意不同意に関わらず、プライバシー情報の保存期間の制限がなく、ずっとプライバシー情報を保有し続けることができます。これは、憲法の定めるプライバシー権を侵害するもので、違憲というべきです。
第2 同意・人事について
1 自由な同意・不同意を決められるのが前提のはずですが、自分だけ同意しないと組織の中でどう扱われるか、という恐怖感があり、その下で事実上同意が強制される可能性が高いです。
2 運用基準では不同意書面を出すこととなっていますが(Ⅳ4(3))、これは秘密保護法にも根拠のないことであり違法です。
また、不同意書(別添3)には、「特定秘密の取り扱いの業務が予定されないポストに配置換えになること等があることについても理解しています」という記載があり、不利益処分を容認する以外の選択肢がない書式となっていて不当です。
3 そもそも評価担当者をだれがどうやって評価するかについても定めがありません。評価担当者がテロ組織とつながっていたら、適切な適性評価はできません。
第3 質問票(別添5)
犯罪及び懲戒の経歴(質問票4(1))について、既に処罰や処分が終わって償ったものまで申告させるのは問題があります。処罰や処分を受け、更生しているのであれば、書かせる必要は全くありません。しかも、犯罪や懲戒対象行為の動機まで書かせるのは、思想信条の侵害であり、プライバシーの過剰な取得です。
第4 公務所等への照会(Ⅳ5(5))
1 医療機関に対して個人の医療情報の照会を行うことは、医師に対して守秘義務違反の情報提供を強要することとなります。医師が患者からの相談内容を調査担当者に話してしまうと思うと、患者は医師に何でも相談できなくなります。そうすると、通院を控えたり、本当のことを言えなくなったりして、きちんとした治療が受けられず、不利益となります。
2 通信事業者に対して照会する場合、通信内容の報告をさせることも考えられます。これは憲法21条の定める通信の秘密を侵害する行為ですが禁止する規定がありません。裁判所の令状が必要な通信傍受と違い、適性評価の場合は裁判所のチェックはなく、同意をたてにしてなんでもやってしまうおそれがあります。
3 調査書で家族や関係者の住所氏名や国籍を報告させることになっていますが、家族等の同意は要件ではありません。それに、公務所照会として、内閣情報調査室、公安、自衛隊の情報保全隊等に照会し、照会するという名目で、事前に調査対象者の名簿をこれらの機関に流して事実上調査させることも考えられます。適性評価のための照会書(別添7)で、家族、関係者の住所氏名を記載して、「把握している情報を提供されたい」として、第三者提供の禁止をすり抜けた上で調査をさせることができてしまいます。そうすると、調査対象者の家族、関係者は、同意していないのにプライバシーを上記機関に把握されてしまいます。
第5 事業者(Ⅳ3(3)ア)
適合事業者の従業者についての適性評価は、「契約後当該事業者が特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった後に実施する」とされています。契約を締結するには適性評価に応じざるを得ないため、事実上、適性評価への同意が強制されています。強制された同意によるプライバシーの取得は、プライバシー権の侵害であり、憲法13条に反します。
以上
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by himituho
| 2014-08-22 13:21
| 秘密保護法パブコメ


