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2014年 06月 16日

【声明】秘密保護法廃止法案の提出を歓迎する声明

秘密保護法廃止法案の提出を歓迎する声明


 昨年12月6日に強行採決により成立した特定秘密の保護に関する法律(以下「秘密保護法」といいます)につき、本日、社民党、共産党、無所属の山本太郎議員と糸数慶子議員が、参議院に秘密保護法の廃止法案を共同で提出しました。

秘密保護法は、特定秘密の範囲が広範かつ曖昧であり、秘密指定が恣意的になされうる上、重罰化と共謀・独立教唆の処罰規定によって内部告発や取材・報道に対して萎縮効果を与え、市民の知る権利が害されるおそれがあることや、適性評価制度によるプライバシー侵害と差別の問題など、民主主義社会において看過できない危険性を有するものです。また、情報保全諮問会議は半年間も議論が行われず、実質的には行政機関である事務方を中心に指定基準が決められようとしています。国会法改正により設置されようとしている情報監視審査会は、行政機関の判断次第で特定秘密の提出が受けられないこととなっており、十分な監視を期待することはできません。このような根本的に不備のある秘密保護法は、いったん廃止し、今一度、知る権利と国家機密のあり方に関する国民的議論を尽くすべきです。

 私たち秘密保護法対策弁護団は、秘密保護法の廃止運動を市民とともに担うとともに、秘密保護法が施行された場合の犠牲者の弁護のために、本年3月12日に、有志の弁護士たちで結成されました。私たちは、憲法と国際人権基準に反する秘密保護法は廃止されるべきであると訴えるために、結成式の際には、村井敏邦教授と落合洋司弁護士による「秘密保護法の刑事法上の問題点」に関する記念講演会を行いました。さらに、本年5月上旬には、弁護団の国際部会メンバーが中心となり、「秘密保護法は国際的な基準であるツワネ原則にことごとく反している」と批判した米国政府元高官モートン・ハルペリン氏の招聘企画に協力し、本年5月下旬には、超党派国会議員団による海外調査報告書を踏まえ、秘密指定等に対する国会による監視のあり方について院内集会を行うなどして議論を喚起してきました。

今回、秘密保護法廃止の法案が国会に提出できたことは、人権擁護のための大きな前進であると考えます。この廃止法案が、より多くの国会議員の賛同を得て成立するよう強く希望し、そのために私たちも努力し続けるという決意をここに表明します。

 2014年6月16日

                   秘密保護法対策弁護団

                       共同代表 海渡雄一

                        同   中谷雄二

                        同   南 典男


# by himituho | 2014-06-16 17:30 | 対策弁護団の声明
2014年 06月 08日

【6月17日】緊急院内集会「国際人権法から見ると ~日本の特定秘密保護法は自由権規約第19条違反!~」

≪緊急帰国報告≫
国際人権法から見ると
~日本の特定秘密保護法は 自由権規約第19条違反!~

日時: 2014年6月17日(火)16:00~17:30
緊急帰国報告: 藤田早苗さん (英国エセックス大学人権センター研究員)
ビデオメッセージ: フランク・ラ・ルー氏(国連人権理事会・表現の自由・特別報告者)
発言: 海渡雄一弁護士(秘密保護法対策弁護団共同代表)、議員、メディアなどから。
会場: 参議院議員会館 会議室 B101(地下1階)
参加: 500円(資料代)

2013年12月6日に特定秘密保護法が成立しましたが、この法律は、多くの問題が指摘され今も根強い反対の声、地方自治体からの意見書も続いています。

2014年530日、国会による秘密監視機関の設置を目的として、議員の罰則を含む国会法の一部改訂案が、自民・公明の与党単独で急遽提出されました。これには与党内部からも、議員の自由な発言・行動を制限するとの異論もあり。監視ではなく追認機関ではとの指摘もされています。

このたび、ジュネーブからフランク・ラ・ルー氏(国連人権理事会の任命による表現の自由に関する特別報告者)のメッセージを携えて、英国在住の国際人権法の専門家が緊急帰国報告をすることになりました。国際法から見た日本の秘密保護法とは?国連の「市民的、政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)19条違反?政府には履行義務あり?7月の国連、自由権規約委員会の審査とは?などについて、学びます。どなたでもご参加ください。

5月20日”秘密保護法監視は可能かー議員団報告書を踏まえてー“に続いて、同法につき、廃止を含めた今後あるべき方向性を考える第2回学習会です。


<講師紹介>

藤田早苗さんは、英国在住。エセックス大学人権センター研究員。専門は国際人権法。

昨年10月、日本の秘密保護法案を同大学OBと英訳して国際人権NGO表現の自由を担当する国連特別報告者フランク・ラ・ルー氏等に紹介し、それぞれから発表された声明を和訳して日本にインターネットを通じて発信した。(ラ・ルー氏は昨年1122日、日本政府に対し秘密保護法の詳しい情報の提供を要請するとともに、その人権基準への適合に懸念声明)。

その後も日本の活動と国際社会をつなぐべく国連、EUの人権担当者、国際NGOと親交。アメリカのモートン・ハルペリン氏とは、612日にベルリンで面談。今年1月からは「秘密保全法に反対する愛知の会」のアドバイザーを勤め、3月にはラ・ルー氏との面談。今回そこで収録したラ・ルー氏のメッセージを携えて、この度、急遽一時帰国。

主な著書として、 「国連人権条約から見た秘密保護法の問題性」海渡雄一、清水勉、田島康彦 編『検証秘密保護法 何が問題か検証と批判』(岩波書店 2014年)、「国際人権法の定める「情報にアクセスする権利」と秘密保護法」『法学セミナー』(20146月号)など。


【主催】その後の秘密法ウォッチャーズ、秘密保護法対策弁護団

【連絡・問い合わせ】その後の秘密法ウォッチャーズ 09093338807 市原
# by himituho | 2014-06-08 19:20 | お知らせ
2014年 05月 29日

【報告】院内集会「秘密保護法監視は可能か」

5月20日、秘密保護法対策弁護団及びその後の秘密法ウォッチャーズ主催で、院内集会「秘密保護法監視は可能か ~議員団報告書を踏まえて~」を開催しました。
以下、弁護団メンバーの藤原家康弁護士の報告です。

集会は、国会議員、国会議員秘書、スタッフを含め計70名が参加で、盛況でした。
議員参加は6名でした。

前半は、議員団報告書の検討として、アメリカについて小川隆太郎弁護士、イギリスについて藤原家康弁護士、ドイツについて海渡双葉弁護士が報告を行いました。
後半は、議員調査団の一員である宮本議員、秘密保護法を審議した特別委のメンバーであった福山議員、クリアリングハウスの三木由希子氏をパネリストに迎え、海渡雄一弁護士をコーディネーターとして、パネルディスカッションを行いました。

なお、議員調査団の一員であった宮本議員によれば、
・調査はもともと各党が参加(して公平に調査を行う)という前提ではなく、秘密保護法賛成派が行おうとするところに反対派が主張して入った。
・議員団の名称にも示されている通り、調査は、各国の「情報機関」に対するものに過ぎない。国会等が総体的に秘密保護法を監視するということは、始めから調査の目的ではない。そして、国会が総体的に秘密保護法を監視している国はない。
とのことであり、今回の調査そのものにそもそも問題があることも、訴えていきたいと思います。

UPLANから、当日の動画がアップされました。
会場で配布した資料も添付されています。
ぜひご覧ください。拡散、活用大歓迎です。
https://www.youtube.com/watch?v=EFFmQV_Dvhw

# by himituho | 2014-05-29 14:25 | 報告
2014年 05月 29日

【報告】雑誌「法と民主主義」4月号への掲載

秘密保護法対策弁護団の結成式の報告と呼びかけが、日本民主法律家協会の発行する雑誌「法と民主主義」4月号に掲載されました。
なお、同じく秘密保護法の特集ページで、弁護団メンバーの岡田俊宏弁護士が「秘密保護法と公務労働者の権利・義務」を執筆しています。
【報告】雑誌「法と民主主義」4月号への掲載_b0326569_14023881.jpg


# by himituho | 2014-05-29 14:03 | 報告
2014年 05月 29日

【報告】秘密保護法対策弁護団の結成式・記念講演

2014年3月12日、参議院議員会館にて、秘密保護法対策弁護団の結成式と記念講演会が行われ、130人が参加しました。以下、弁護団メンバーである矢崎暁子弁護士の報告です。
結成式の動画 http://www.youtube.com/watch?v=vH_x1243rgk

秘密法弁護団は、①秘密法による検挙者が出る前に体制を整えておき、それにより検挙を予防すること、②秘密法の問題点について学習した弁護士を育てて秘密法廃止運動を市民とともに担うことを目的としています。昨年12月から呼びかけが始まったこの弁護団は、ほとんど口コミだけで広がり、この日までに上は14期から下は66期まで330人の弁護士が加入しました。目標は1000人。まだまだ弁護団の存在自体が伝わっていません。これから一層呼びかけて大きくしていきたいです。
12日の結成式には、真山勇一参議院議員(結いの党)、福島瑞穂参議院議員(社民党)が挨拶に訪れ、野党の中で廃止法案の提出に向けた協議が進行していることが報告されたほか、市民運動、日弁連、医師・歯科医師の会の代表による発言も行われました。


↑全体の写真


↑弁護団を担う若手弁護士たち


↑開会の挨拶をする南典男弁護士


↑真山勇一参議院議員


↑福島瑞穂参議院議員


↑設立趣意を説明する海渡雄一弁護士



↑呼びかけ人代表として挨拶をする井上正信弁護士、升味佐江子弁護士


↑フリーランス表現者による秘密保護法違憲訴訟を担当する山下幸夫弁護士
フリーランスのジャーナリスト達30人が原告となって秘密保護法の違憲確認と差し止めの訴訟を準備中。3月末に提訴予定。秘密法の影響が一番大きいのはやはり取材の自由や表現の自由。一定の配慮をするなどと書かれたがフリーの記者が「報道」に入ると判断される保障はない。秘密保護法反対には色々な活動があっていい。期間は短いかもしれないが、様々な方法で裁判の中で秘密法の問題点を訴えていきたい。


↑「秘密保護法」廃止へ!実行委員会の高田健さん
ふだんは必ずしも一緒にやれなかった市民団体が、秘密保護法を廃案にするために集まり実行委員会を作った。全国の仲間とネットワークも作った。法律の廃止という大変な目標に向けて市民運動は燃えている。


↑日本弁護士連合会秘密保護法対策本部から齋藤裕弁護士
今後政令が作られたり国会内に委員会を設置したりする動きが出るだろうが、日弁連としてもそれらの内容に対して意見を出していくし、法律自体の廃止に向けて全力を尽くす。


↑特定秘密保護法に反対する医師と歯科医師の会から青木正美医師

この日は、結成記念講演として、刑事法の観点から見た秘密保護法の問題点について、村井敏邦一橋大学名誉教授と落合洋司弁護士による講演が行われました。


↑村井敏邦一橋大学名誉教授

「特定秘密保護法の刑事法上の問題――刑事実体法を中心として」
村井名誉教授からは、秘密保護法が①国家が公的秘密と私的秘密を独占する情報コントロール法であるという側面と、②情報コントロールを手段とした本質的には軍事立法という側面を有する、との分析がなされました。秘密保護法が戦前の軍機保護法や国防保安法との構造的な共通点を有し、米軍の「特別防衛秘密」を対象としたMDA秘密保護法を一般法化するものであるという指摘もなされました。
実体法上の問題点としては、①そもそも立法の必要性がなく仮想的を想定した軍機保護法的側面が憲法9条に違反することに加え、②特定秘密の規定の不明確さが憲法31条(実体的デュープロセス)違反、③処罰範囲の過度の広範さ(主体、過失犯、取得罪での「取得手段」に対する刑罰法令との重畳適用)、④漏示罪と取得罪とが対向関係に立つかどうか議論されていない点、⑤共謀・教唆・煽動罪処罰の行為主義原則違反、⑥罰則の過大性(他の刑罰法令との重畳適用により刑の上限は10年を超えうる)が指摘され、実体法上の重大な論点がほとんど全く議論されずに法律が制定されてしまった現実が浮き彫りとなりました。


↑落合洋司弁護士

「特定秘密保護法の刑事手続上の論点」
落合弁護士からは、まず、秘密保護法違反事件の捜査が始まるパターンとしては①警察の監視・内偵による立件、②内部調査や内部情報(たれ込み)による立件、③秘密が外に出ていることが報道等により発覚して立件(典型例は西山記者事件)の概ね3パターンが想定されるとの指摘がなされました。
特に③のケースと関連して、秘密保護法に「報道又は取材の自由への配慮」と記載されていることについて話されました。政府は「報道機関に対する捜索差押えはされない」と述べているが、従来の判例は比較衡量の枠組みを用いて報道機関に対する捜索差押えを許容しており、「証拠を押さえる」という点が強調されて比較衡量は「捜査の必要性」に振れやすいこと、記者には押収拒絶権や証言拒否権は認められていないことを例に、もともと取材や情報源秘匿への保護が希薄であるにもかかわらず、この点への手当がないことの指摘がなされました。
そして、公判手続ではとくに外形立証の点に重点を置いて話されました。(※外形立証とは、特定秘密の内容を明らかにせず、特定秘密の指定手続、当該事項の種類、性質、特定秘密とすることを必要とする由縁等の事実を立証することにより、反証のない限りその実質秘性を推認させる立証方法を言います。)
法案制定過程で法務省や警察庁は「外形立証では立証できない」と懸念していたのに対し、内閣情報調査室は対応不要として不正競争防止法の秘匿決定制度のような制度も採用しないとしたこと、外形立証で公判を維持できるかの検察庁の判断が不透明であり関係者が不安定な立場に置かれうること、故意を争う場合に外形立証では防御権を侵害しうること、弁護活動として秘密の内容を明らかにすることが漏えい罪とされうる(刑法35条の正当行為にあたるとされないかぎり)ことなどが指摘されました。

(質疑)
Q.実質秘性を争う場合の弁護活動はどうなるか
→(村井)秘密指定の妥当性は争わなければならない。無罪主張となる。ただ秘密指定の不当性をどう立証できるか。外形立証だと弁護活動はできない。
(落合)従来国公法などでは実質秘性が要件。他方特定秘密は指定によりある意味形式的に決まるため、「特定秘密に指定されているから」とされると裁判所がその実質・中身に立ち入らない可能性。秘密の中身を明らかにしないとデュープロセスに反するという主張立証が重要。

Q.秘密の中身がわからない場合の「故意」。「知得」に関する内調と警察庁のやり取りからすると、『特定秘密を含めた何らかの秘密であること』の認識があり、かつ、『特定秘密を含めた何らかの秘密の意味(=何たるか=漏えいすればどういう結果を導くか)を全く認識していないわけではない』程度の意味の認識があれば「知得」要件を満たすとされうることとの関係は。
→(村井)全く内容を知らなければ過失だが、例えば「特定秘密の防衛プランであるようだ(しかし具体的な内容は知らない)」という程度で認識ありとされる可能性はある。意味の認識についてわいせつ文書で議論されたようなことが問題になりうる。
(落合)秘密取扱者より、一般の人がアクセスした場合、共謀や教唆の場合に一層問題。確定的故意はなく概括的故意の問題となり、ケースバイケース。検察官としては立証が難しい。曖昧で立証できないとして起訴を断念するか、あるいは情況証拠や自白に基づき起訴するか。

Q.情報公開法や公益通報者保護法との関係
→(村井)内部通報がこの法律により一層難しくなる。秘密保護法の中には内部通報者を保護する規定がない。正当行為論、秘密とすべき必要性、秘密にすることの憲法上の問題点等を指摘していくことになる。
(落合)立法過程で「アメリカにも同様の制度があるから」と言われていたが、アメリカではスパイではなくいわゆる内部告発者が処罰されており、そのことがアメリカ国内でも問題視されている現状。秘密とされた情報を明るみに出すことでより大きな正義を実現しようとすることが封殺されていく。保護する規定が刑35条しかなく不安定。
(海渡)ツワネ原則の「開示により得られる利益が非開示による利益より大きければ処罰されない」等の保護規定が秘密保護法にはない。公益通報者保護法により解雇はされなくても処罰はされるという異常な制度。

Q.ジャーナリストには黙秘権はないのか。情報源を明らかにするなどやってはいけないのでは。
→(落合)参考人として呼ばれることを想定すると証人尋問では自己負罪拒否特権はある。被疑者・被告人とされれば黙秘権はある。ただ被疑者的参考人として呼ばれたときに自己負罪でないと証言義務を負う。ニュースソースの保護は、現在の刑訴法では保護対象となっていない。
(村井)記者に証言拒絶権がないことについて、学者の中では問題視してきたが裁判所は証言拒絶権を認めてこなかった。ぜひ争ってほしい。

Q.本当に公正な裁判が行われるのか疑問。外形立証自体が憲法31条違反ではないか。
→(村井)たいへん難しく根源的な質問。捜査段階から問題。運用させないことが第一。適用されたときには憲法を総動員して主張していくしかない。外形立証は実質秘性を推定することになるが、推定ではダメ。
(落合)外形立証は訴因の特定とも絡む。実務の識別説によれば理屈上は外形立証もありうることになる。しかし訴因が特定されているかどうかとは別に防御権は保護しなければならない。起訴前から「外形立証だめですよね」と言っていかないといけない。警察庁も法務省も危惧していたのだから。捜査機関の痛いポイントを突くこと、世論を巻き込むことが必要。

Q.森雅子大臣と交渉して日弁連で議論してほしい
→(海渡)交渉して何とかなるならやりたい。


# by himituho | 2014-05-29 13:53 | 報告


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